顕微鏡歯科治療(マイクロスコープ)

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マイクロスコープとは

マイクロスコープというのは顕微鏡のことです。顕微鏡を使うと、肉眼で見えないようなものをはっきりと見ることができます。その技術は医療にも応用されており、医科でも体の様々な場所の手術などでよく使われています。歯科治療というのは、細かい部分を治療していくことが多いため、マイクロスコープを使用することによって、通常の治療よりも格段に高いレベルの治療を実現しました。

顕微鏡歯科治療(マイクロスコープ)が適している歯の症状

歯科のマイクロスコープの威力が最も発揮されるのは根管治療です。根管治療は、よく「歯科治療の中でも最も難しい治療だ」と言われています。それは「治療を必要とする根管が、入り口くらいしか肉眼で見ることができない」からです。

そのため、従来の根管治療というのは「入り口から器具を入れて、レントゲン写真を参考にしながら、根の形をイメージし、器具を入れて術者の勘や経験をもとに手探りで治療をする」という頼りないものでした。根管治療では、現在でも一般的にマイクロスコープを使わず、このような不確実な治療法が行われているのが実状です。しかしこの方法では、汚染部分を取り残したり、逆に健康な部分を無駄に削って歯を薄くしてしまうリスクがあります。

当院のマイクロスコープは拡大倍率を24倍にすることができるほか、拡大しつつ、術野を明るく照らすことができます。マイクロスコープを導入することで根管内を明視下ではっきりと見ながら治療ができるようになり、より正確で確実な治療、つまり「悪い部分はしっかりと取り除いて、健康な部分はなるべく保存して削らない」ということを可能にしました。

最近の歯科界ではMI(ミニマルインターべンション)が主流になっています。これは「なるべく歯を削らない」という考え方であり、一昔前の「怪しい部分はなるべく広く削る」という方法では歯が持たなくなるという経験をもとに、このような流れに変わってきました。マイクロスコープを使うことで、根管治療においてもMIを実現することができます。

できるだけ削らない・抜かない治療

持って生まれた天然の歯は、削ってしまえば二度と元に戻ることはありません。そのため当院では、患者さんの天然の歯を少しでも多く残せるよう、できるだけ削らない、抜かない治療を心がけています。しかし、虫歯の原因菌に侵された部分を完全に取り除かないと、再発してしまう恐れがあります。

健康な部分を傷付けず虫歯だけを取り除くよう、虫歯が大きい場合、当院ではマイクロスコープを使用し専用器具を使った手作業での治療も行なっております。